
精神科・心療内科・心理学関係の雑誌や講演会からの情報集です。
ホテル日航福岡にて
共催 社団法人 福岡県精神科病院協会 ヤンセンファーマ株式会社
講演1
当院におけるインヴェガ錠の使用経験と今後への期待
高橋輝道 特定医療法人大慈会三原病院 院長
講演2
リスパダールからインヴェガへ
岡元健一郎 医療法人飯塚恵仁会筑豊病院 副院長
タカクラホテル福岡にて
共催 九州山口てんかん外科研究会 興和創薬株式会社
一般演題 12題
1. 多機能凍結プローブの開発と薬物誘発海馬てんかんモデルへの適用
常盤達司 九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻 他11名
2. 霊長類を用いた薬物誘発てんかんモデルに対する局所脳冷却の効果
井上貴雄 山口大学大学院医学系研究科脳神経外科 他10名
3. 自発てんかん発作を呈する皮質異形成ラットモデルの組織学的検討
重藤寛史 九州大学学院医学研究院神経内科学 他4人
4. 海馬切除後の知的機能・記憶機能の変化
橋口公章 飯塚病院脳神経外科 他4人
5. てんかん外科における早期再発例の要因と予後
菅田真生 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科 他4人
6. 難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法の経験
藤井正美 山口大学大学院医学系研究科脳神経外科 他9人
7. 難治てんかんに対する迷走神経刺激療法導入1年4ヶ月後の状況:九州労災病院と全国における状況
森岡隆人 九州労災病院脳神経外科 他7人
8. 知的障害を伴わない裂脳症患者のてんかん発作の臨床像
森岡隆人 九州労災病院脳神経外科 他6人
9.複雑部分発作にて発症した小児前頭葉腫瘍の1例
守田弘美 産業医科大学小児科学教室 他9人
10. 運動野近傍のdesmoplastic infantile gangliomaに伴う難治性てんかんの1手術例
迎伸孝 九州大学大学院医学研究科脳神経外科 他8人
11. 軟膜血管腫ではなく前頭葉皮質形成異常と同側海馬硬化にてんかん原性を認めたSturge-Weber症候群の1例
村上信哉 九州大学大学院医学研究科脳神経外科 他6人
12. 「だれかいる」との実体意識性を主とする単純部分発作症状を呈したてんかん症例
伊東裕二 久留米大学医学部神経精神医学講座 他5人
症例検討
側頭後頭葉てんかんの一例 手術適応は?
正崎泰作 産業医科大学神経内科 他6人
教育講演
脳梁離断術の基礎と現状
馬場啓至 国立病院機構長崎医療センター脳神経外科
特別講演
神経発生の基礎知識:神経幹細胞から大脳皮質が作られるまで
高橋孝雄 慶応義塾大学医学部小児科 教授
閉会挨拶 代表世話人 辻貞俊 産業医科大学神経内科
ホテルニューオータニ博多にて
共催 エーザイ株式会社 ファイザー株式会社
エリアリポート1
1. 認知症の遺伝子診断
中村雅之 鹿児島大学大学院医史学総合研究科 精神機能病学分野 講師
2. アミロイドPETを用いた認知症診断
藤田晴吾 藤元早鈴病院 放射線科
3. 脳血流SPECTでみるアリセプト10mg早期投与による治療効果
井出芳彦 医療法人白十字会佐世保中央病院 認知症疾患医療センター センター長
Dr井出講演内容
MCI(軽度認知機能障害)の段階でも 海馬の萎縮and/or脳血流SPECTでAD(アルツハイマー型認知症)に特徴的な所見があれば アリセプトを用いる
MCI→AD へ移行が予測されるときは preclinical stateでも アリセプトを5mg/日から10mg/日へ増量すべし
MCIでは 1年ごとに 認知機能テストやSPECT検査を行っている
エリアリポート2
1. 認知症予防における行政・医師会との取り組み
木村成志 大分大学医学部 総合内科学第三講座 講師
Dr木村講演内容
臼杵市で 各小学校区ごとに 「なるほど認知症講座」を開き 会場で希望者にタッチパネル式早期診断システムを使ってもらった 12点以下の人を二次検診に回して 認知症として治療が必要と判断されたら かかりつけ医に連絡した
行政(臼杵市役所)と臼杵市医師会と大分大学病院が連携することで 認知症に対する地域住民の関心が高まり 早期発見、早期診断、早期治療が可能になると思われた
2. 福岡市における認知症医療連携システム
田中耕太郎 御所ヶ谷ホームクリニック
Dr田中講演内容
福岡市における認知症医療連携システムについて述べた
福岡市医師会が主導して 中央区医師会から始まり 福岡市役所と福岡市医師会と福岡市認知症疾患医療センター(九大病院内)が連携して 認知症医療連携システムを作ってきた過程について説明した
各区に認知症サポート医と認知症相談医を置いた 相談医は手上げ方式で決めたが 相談医の質的向上が望まれる
相談医名簿は福岡市役所のホームページで閲覧できる
3. 地域連携を踏まえた認知症治療モデルの構築
坂本眞一 医療法人社団平成会 平成病院 院長
Dr坂本講演内容
熊本県の認知症医療モデルについて説明した
認知症疾患医療センターの地域拠点型センターのひとつである平成病院における取り組みを紹介した
平成病院は 八代市と芦北地区を担当している もの忘れ相談手帳やもの忘れ受診手帳 やつしろ認知症研究会における事例検討会や民生委員等研修会 などを紹介した
認知症になっても安心な町づくりをめざしている
特別講演
アルツハイマー型認知症の診療ポイントとアリセプト10mgの増量意義
金田大太 大阪赤十字病院神経内科 副部長
Dr金田講演内容
アルツハイマー病の早期診断 アリセプト10mg増量の意義 コミュニティーの再構築 が主テーマ
早期診断におけるアルツハイマー病らしさを 症例と映像を用いて説明した
語想起の障害
あれ・それ症候群
もっともらしさ とりつくろい
もっともらしいそれらしい言葉でとりつくろう
笑顔でとりつくろう
家族の話とギャップがある
社交性が保たれている
ふり向き兆候
家族の顔をすぐ見て 答えさせようとする
家族と一緒に診察に来させることが重要
アリセプトを用いると
海馬萎縮を抑制する ナーシングホーム入所を遅延させる アリセプト+メマリー併用でさらに入所が遅延する
MCIからADに進行するのは40%といわれる
ADLが障害されているMCIは進行が早い 糖尿病があるとMCIからADになるのは3倍のスピード うつ病があるとADになるのは 2年で12% 5年で50%
コミュニティーからの離脱(転居など)や全身疾患があってADLが低下するなど ADが重篤化するエピソードがあったらアリセプト10mgに増量する
AchE活性は 中等度のADで大幅に低下している 高度のADになるとAchE活性が乏しくなりアリセプトの効果も乏しいのではと思われる アリセプト10mgは 日本では高度のADに適応になっているが 日本以外の国では中等度から10mgが適応になっている アリセプトが効くうちにしっかり使うのがよいと思う
ADを早く見つけて 早くアリセプトの治療用量を用いることが肝要である
患者は自分でできないことを自覚している
自分がこわれていくのがわかっていて 不安と恐怖をもっている
徐々に役割と居場所を失う 孤立と疎外感があり 被害的傾向が増大して BPSDが発現する
世話になる相手に借りが増えていく BPSDが発現する相手は 特別な人間関係の裏返しである
アリセプトはfacial expressionの改善にすぐれている これは介護者のmotivationを維持する
高度のADであっても 問題行動を減らす工夫をし ADL低下を抑制することが必要である
博多都ホテルにて
共催 福岡臨床と脳波懇話会 グラクソ・スミスクライン株式会社
Broadband EEG :何がわかるのか?
寺田清人
独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 神経内科 医長
概要
デジタル脳波計の進歩により より広い周波数帯域の脳波を記録できるようになり いろいろな波形が見えるようになった
通常の脳波記録では 0.5Hz-30Hzのbandpass帯域で記録しているが 例えば1000Hzにまで帯域を広げて
サンプリング周波数を高くすると 周波数が早い成分~HFO(high frequency oscillation)を記録できる
HFOは てんかん発作に関係する脳波として注目されている
頭蓋内記録で 皮質脳波を記録し ictal discharge (発作性発射/発作時放電)に特徴的な波形を探している
発作起始領域に限局して 200-400Hzの波形が 周期的に 群発するのを記録できた
MTLE(内側側頭葉てんかん)では HFOはMTL(内側側頭葉)に限局していた
さらに周波数帯域を10000Hzにまで上げて記録できる高周波成分をVHFO(very high frequency oscillation)と言う
また周波数帯域を0.1Hzまで下げて 非常に遅い周波数成分LFO(low frequency oscillation)~VLFO(very low frequency oscillation)を記録できる その例としてictal DC shiftがある これは臨床発作に10-20分先行して現れる
新皮質てんかんでは HFOやVHFOは発作起始部位の同定に VLFOは発作の予測に 良いのではと思われる
ホテルニューオータニ博多にて
共催 塩野義製薬株式会社 日本イーライリリー株式会社
強迫性障害とその関連疾患について
中尾 智博
九州大学大学院医学研究院 精神病態医学 講師
抗うつ薬治療の現在
白川 治
近畿大学医学部精神神経科学教室 教授
白川先生講演内容
1.抗うつ薬の概要
抗うつ薬の中での Duloxetine(サインバルタ) の位置づけ
セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用し 気分改善と意欲改善のバランスが良い
2.副作用の持つ治療的意味
副作用と治療効果は表裏一体をなす
過鎮静は 抗うつ薬が適応でない可能性や減量・中止のタイミングを示唆する
SSRIによるapathy or amotivation syndromeに注意しよう SSRI服用によって 無気力 無関心 自発性欠如を示すことがある SSRIは 強迫性 心配性 神経質 対人不安などに有効で negativeな認知をやわらげて こだわりを減らす効果があるが 無神経 無頓着になる恐れもある
治療初期の関わり方や治療終了のあり方についての認識 症状評価ときめ細かな対応 治療適応 を考えることが必要になる
3.新規抗うつ薬の功罪
SSRIの登場によって 服薬感が改善して服薬アドヒアランスが向上したこと 重篤な自律神経系副作用が少なくなって 高齢者や身体合併症の患者にも十分量の抗うつ薬が使えるようになったこと 過量服薬しても安全性が増したが SSRIの使いやすさが軽症「うつ病」を増しているともいえる
抗うつ薬を過量投与したり 合理性を欠く併用によって 情動が不安定になり 衝動性が顕わになることに注意しよう 焦燥や易怒を伴う不機嫌など 情動不安定性が増幅されることがある
activation syndromeが長く続くうちに 次第にそれが自我親和的になり 抗うつ薬の継続投与を患者が望むようになる恐れもある
うつ病治療の経過が不安定になるときは 双極性因子bipolarity パーソナリティ水準(パーソナリティ障害) 脳器質因や甲状腺機能 抗うつ薬による作用 などについて考えよう
双極スペクトラム障害 双極性概念の拡大についての懸念
4.難治性うつ病に対する治療的ストラテジー
抗うつ薬の併用: SSRIとSNRIとか
augmentation : 炭酸リチウム 非定型抗精神病薬 ドパミンアゴニスト 甲状腺ホルモン
うつ病のサブタイプ:bipolarity schizoid Asperger disorder personality とともに 適応障害~心理社会的要因の関与も考えよう
5.抗うつ薬の適切な投与のために
処方の根拠を考えて 処方の単純化を心がける
薬の薬理学的特性を知る 標的症状や治療上の優先順位を考える 発症年齢や病期(時間的臨床経過)を考える
うつ状態の評価と治療に当たって
抗うつ薬投与が妥当か 投与量が適正か とともに 心理社会的要因評価が重要
抗うつ薬に反応するうつ病を見極めていくことが大事